モバイルバッテリーは3年でこうなった|充電ガジェット11点・55,975円ぶんの答え合わせ

充電ガジェット11点・55,975円の内訳を現役・引退・実家の3色バーで示したアイキャッチ PC・ガジェット

※本記事はAmazonアソシエイト・プログラムを利用したPRを含みます。

前回の記事で、私は自分の購入履歴を数えて「3年2ヶ月で11点、55,975円」という数字を出しました。充電器とケーブルとモバイルバッテリーだけで、です。

書いたあとで、ずっと引っかかっていました。その11点、本当に全部使っているのか?

数えるだけなら簡単です。でも「5万6千円ぶん買いました」と書いておいて、その半分が引き出しの奥で眠っていたら、それはただの散財自慢です。だから今回は、11点を1つずつ「現役」「引退」「行方不明」で判定しました。追加購入はゼロ、新しく取材もしていません。手元にあるものを、正直に並べるだけの記事です。

先に結論を書きます。3年で55,975円使って、いま完全に死んでいるのは9,489円ぶんでした。全体の17%です。

そして、いちばん高くついた死蔵品がモバイルバッテリーでした。この記事はその1台の話が主役です。

(前回の記事はこちら → AnkerとUGREENしか買わない私が、CIOだけ気になった理由【充電ガジェット5ブランド比較】

1. 3年で55,975円、11点の答え合わせ

まず全体像です。判定はこうなりました。

充電ガジェットを紺色の布の上に並べた俯瞰写真
11点のうち、この写真に写っているのは9点です。マグネット充電ステーションのQi2版と、実家に置き忘れているFusion 10000mAhは写っていません。右下の白い機器はペットカメラで、これは11点には含みません(後で出てくるUGREENケーブルの相棒です)。
判定 点数 金額(購入時点) 割合
現役 8点 40,496円 72%
引退 2点 9,489円 17%
実家に置き忘れ 1点 5,990円 11%
合計 11点 55,975円

1点ずつだとこうです。

製品 購入時点の価格 判定
Anker 633 Magnetic Battery(MagGo)10000mAh 7,990円 引退
Anker 637 Magnetic Charging Station 8-in-1 7,493円 現役
Anker MagGo Charging Station 8-in-1 Qi2 8,172円 現役
Anker Prime USB-Cケーブル 240W 0.9m 2,790円 現役
Anker Prime USB-Cケーブル 240W 1.8m 2,190円 現役バリバリ
Anker Power Bank 25000mAh 巻取り式 165W 9,690円 現役
Anker Power Bank 10000mAh Fusion 5,990円 実家に置き忘れ
Anker 547 USB-Cハブ 7-in-2 6,990円 現役
UGREEN AUXケーブル USB-C→3.5mm DAC搭載 2m 1,499円 引退
UGREEN USB-Cケーブル PD100W/5A 2m 1,028円 現役
UGREEN 縦型ノートパソコンスタンド 2,143円 たまに使う

※価格はすべて私が買った時点のものです。現在の価格ではありません(変動します)。

並べてみて、自分でも意外だったことがあります。「使っていないもの」が全部同じ理由で使われていないわけではなかったのです。この話は最後にまとめます。

2. モバイルバッテリーの寿命は何年?――私のAnker 633は3年でこうなった

ここがこの記事の本題です。

11点のうち、いちばん高くて、いちばんはっきり「引退」と言えるのがAnker 633 Magnetic Battery(MagGo)でした。購入時点で7,990円。iPhoneの背面にマグネットで貼り付く、10000mAhのバッテリーです。

記事を書くにあたって、3年ぶりに本体側面の表記を読み直しました。思っていたより情報が載っていたので、そのまま書き写します。

項目 本体表記
型番 A1641
電池容量 5000mAh 7.7Vdc / 38.5Wh
内蔵電池 5000mAh × 2セル
定格容量 6700mAh(定格電圧 5Vdc)
ワイヤレス出力 5W / 7.5W
USB-C 入力/出力 5V=3A / 9V=2.22A
USB-A 出力 5V=3A / 9V=2A
合計出力 5V=3.6A Max

※本体側面の表記をそのまま書き写したものです。

ひとつ補足です。製品名は10000mAhですが、本体表記は「電池容量 5000mAh/7.7Vdc(38.5Wh)」になっています。同じ電池を、セル1個ぶんの電圧で数えるか、パック全体の電圧で数えるかの違いなので、どちらも間違いではありません。

正直に書くと、私はこの換算に詳しいわけではありません。実際にやっているのは、バッテリー側に書いてある容量と、充電したい側(iPhoneなど)の容量を見比べて、だいたいどれくらいいけるかを考えるくらいのことです。何回充電できたかを数えたこともありません。

だから普段見ているのは、製品名の10000mAhよりも本体表記の定格容量6700mAhのほうでした。

ここで自分でも「あっ」と声が出たのが、ワイヤレス出力の7.5Wでした。この数字が、あとで出てくる不満の答えになります。

引退したAnker 633と現役の25000mAhバッテリー・547ハブ・UGREENスタンドを並べた写真
左の白いのが今回の主役、3年使ったAnker 633。並んでいるのは今も現役のメンバーです。

買った当初は、間違いなく最前線だった

買った直後は本当によく使いました。私にとって「マグネットでくっつく充電」の入り口がこれだったからです。

ケーブルを挿さなくていい、というのは思っていた以上に大きい変化でした。iPhoneの背中にパチンと貼って、そのままポケットにも入るし、机の上でも触れる。外に持ち出す1台として、当時は完全に主力でした。

いま起きていること:持ち・発熱・充電速度の3つ

それが3年経って、こうなりました。

  • バッテリーの持ちが落ちた。満充電にしても、以前ほど働いてくれません
  • 発熱が気になるようになった。使っているとき、以前より熱を持ちます
  • 充電速度がもう速くない。これは劣化というより、周りが速くなった結果でもあります

3つ目は、さっきの表を見て自分でも腑に落ちました。633のワイヤレス出力は最大7.5W。マグネットで貼って充電しているかぎり、そこが上限です。その後、マグネット充電の規格そのものが上がっているので、「遅くなった」というより「今の基準では、最初から速くはなかった」のほうが正確でした。

そのうえに、3年ぶんの劣化が乗っています。後から買った25000mAhの巻取り式(後述)を使ったあとに633へ戻ると、待たされている感じがはっきりわかります。

壊れてはいません。今でも電源は入るし、充電もできます。ただ、持ちが落ちて、熱を持って、遅い。その3つが揃うと、外に持ち出す1台としては選ばれなくなります。実際、私はもうほとんど使っていません。

ただし「モバイルバッテリーの寿命は3年」とは書きません

ここは正直に線を引かせてください。

私はこの記事を書くにあたって、「モバイルバッテリーの寿命は3年です」と一般化することはしません。私が持っているのは1台だけで、その1台がどう使われてきたかも私にしかわからないからです。

充電の回数も、置いていた場所も、夏場の車内に何回持ち込んだかも、人によってまったく違います。同じ633を3年使ってピンピンしている人は普通にいると思いますし、逆に2年でダメになる使い方もあるはずです。

だから、この記事で書けるのは「私の1台は、3年でこうなった」までです。もしあなたの1台が同じ症状を出しているなら、判断材料の1つとして使ってください。それ以上のことは、私には言えません。

豆知識:「性能が落ちたサイン」と「使うのをやめるサイン」は地続き

持ちが落ちた、熱を持つ——これは私にとっては「そろそろ引退かな」という性能の話でした。ただ、リチウムイオン電池を積んだ製品では、この手の違和感が安全の話とつながることもあります。

NITE(製品評価技術基盤機構)によると、リチウムイオン電池を搭載した製品の事故は2021年から2025年までの5年間で2,140件(NITEに通知されたもの)。NITEは 「3つのC」=賢く選ぶ(Cool Choice)/丁寧に使う(Careful use)/正しく捨てる(Correct disposal) を呼びかけていて、そのうえで「異常を感じた場合は使用を中止する」としています。

念のため書いておくと、私の633が危険な状態だと言っているわけではありません。普通に使えますし、異常な膨らみもありません。ただ「まだ使えるから置いておこう」で3年が過ぎたのも事実で、使わないまま持ち続けることも、実は選択の1つなんだなと思ったという話です。判断に迷ったら、自分で基準を作らずNITEの案内を見るのが早いです。(出典:NITE 注意喚起「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご注意を」

引退させたあと、どうするか

ここまで書いて、自分の中で結論が出ました。633は「まだ使えるけど、もう選ばない1台」として引退です。そして引退させると決めたなら、引き出しに戻すのではなく、自治体や回収ボックスのルールに沿って正しく手放すところまでが1セットだと思っています。NITEの「3つのC」の最後が「正しく捨てる」なのは、たぶんそういうことです。

では、今の私が同じ用途で買い替えるなら何を見るか。マグネットで貼れて、Qi2に対応した10000mAhクラス——つまり633の正統な後継にあたるモデルです。

私が633の代わりに見るとしたら

私はまだ使っていません。「3年使った633の次に買うならここを見る」という私の候補というだけで、使用感の保証はできません。レビューと価格は必ずリンク先でご確認ください。

3. 現役の主力5点は、なぜ残ったのか

ここからは生き残った側です。金額にして40,496円、全体の72%。ただ、1点ずつカタログのように並べても面白くないので、「なぜ残ったか」の理由でグループにして書きます。まずは毎日触っている主力から。

633を追い落とした2台

正直に言うと、633を使わなくなった原因の半分は、劣化ではなくこの2台です。

  • Anker 637 Magnetic Charging Station 8-in-1(購入時点 7,493円)
  • Anker MagGo Charging Station 8-in-1 Qi2(購入時点 8,172円)

マグネット式の充電ステーションを、デスクと寝室の枕元に1台ずつ置いています。デスクでは、PCを触りながらiPhoneを貼って、MacBook Airに給電して、Apple Watchのコードは挿しっぱなし、空いたUSB-CでiPadやイヤホンを充電する。デスクで充電するものが全部1箇所に集まっている状態です。

充電ステーションにケーブルを挿し、Apple Watchを充電しているデスクの写真
デスクで充電するものを1箇所に固めた状態。Apple Watchもここで充電しています。

寝室のほうは、寝る前に置くだけ。マグネット面にiPhoneを横向きに貼ると時計表示になるのが地味に便利で、毎晩使っています。

で、ここが答え合わせです。据え置きで「置くだけ」の場所が家に2箇所できた時点で、持ち歩き用のマグネットバッテリーの出番が激減した。633が引退したのは、劣化だけが理由ではありませんでした。自分で自分の環境を上書きしていたわけです。

ドーム型のマグネット式充電ステーション2台をデスクに並べた写真
普段はデスクと寝室に1台ずつ置いている2台。撮影のために並べました。

ちなみにイヤホンの充電もこのステーションに集約されています(イヤホン4台の使い分け記事でも書きましたが、複数台を並行して使うと「どれが充電済みか」が最大の問題になるので、置き場所を固定するのが効きました)。

参考リンク:Anker MagGo 充電ステーション 8-in-1 をAmazonで見る

予想が外れた2本:Prime USB-Cケーブル 240W

この記事を書く前、私は自分でこう予想していました。「0.9mと1.8m、たぶん区別せずに使っているだろう」と。同じシリーズのケーブルを2本持っている時点で、どちらか遊んでいるはずだと思ったのです。

外れました。はっきり使い分けていました。

太さと長さの違うケーブル4本を紺色の布の上に並べた写真
いちばん上がDAC搭載のAUXケーブル。残りは太さも長さもバラバラで、この差がそのまま用途の差になっています。
  • 0.9m(購入時点 2,790円)= 持ち運び用。短いほうがカバンの中で暴れない
  • 1.8m(購入時点 2,190円)= 寝室用。これがいちばん使っています

1.8mの理由がはっきりしていて、我ながら笑いました。寝るときはMagGoに貼るのですが、寝転びながらスマホを触りたいときはケーブルが要る。しかもゴロゴロするので長いほうがいい。それで長尺を買っていました。

2本に共通する購入理由は「昔のケーブルが断線した」「規格が古くて弱かった」です。今の充電規格に合っていて、耐久性が高くて長く使えそうなものを選びました。3年後の答え合わせとしては、2本とも当たりです。

参考リンク:Anker Prime USB-Cケーブル 240W をAmazonで見る

不満が「重さ」しかない1台:Power Bank 25000mAh 165W

Anker Power Bank 25000mAh 巻取り式 165W(購入時点 9,690円)。11点の中でいちばん高い1台です。

大容量で高速充電できるものを探していて出会いました。良かった点は多いです。

  • ケーブルが2本内蔵されている。本体だけ持てばいい
  • 本体側の受電が速い
  • 25000mAhの大容量
  • モニターで残量と充電速度が見える

不満は重量だけです。それ以外に文句がありません。3年経っても、この1台は「いい買い物だった」と言い切れます。633と同じ時期のバッテリーですが、こちらは現役です。

参考リンク:Anker Power Bank 25000mAh(巻取り式・165W)をAmazonで見る

4. 脇役として残った3点

残りの3点は、毎日ではありません。それでも残っているのは、用途がはっきりしているからです。

Anker 547 USB-Cハブ 7-in-2(購入時点 6,990円)。MacBook Airを買ったのとほぼ同時期です。二画面で使いたかったのですが、手持ちのモニターがHDMIのみでUSB-C非対応でした。かといってケーブルにケーブルを継ぐのは不格好で嫌だったので、スタイリッシュで多機能なこれを選びました。HDMIを使うときに重宝していますし、メカメカしい見た目も気に入っています。

スペックで1つ注意点があります。この製品の「5K@60Hz」はマルチファンクションUSB-Cポートのほうで、データ転送40Gb/s・給電100Wもそちらです。HDMIポートは4K@60Hz。私は最初これを混同していました。今後モニターを新調すればUSB-C側も活きるので、そのときが本番だと思っています。

UGREEN USB-Cケーブル PD100W/5A 2m(購入時点 1,028円)。ペットカメラの付属ケーブルが断線したので代わりを探して買いました。狙いは「Ankerほどではないけど、丈夫でいいやつ」。程よい値段で、使用感も問題なく、不満はありません。全部をAnkerで揃える必要はない、という実例です。

UGREEN 縦型ノートパソコンスタンド(購入時点 2,143円)。MacBook Airを縦置きで収納したくて買いました。見た目がカッコいいのと、本体にカバーを付けたままでも幅を調整できるのが効いています。毎日ではないので判定は「たまに使う」ですが、デスクを広く使いたいときの収納として確実に役割があるので、現役側に数えました。

この章で挙げた3点をAmazonで見る

5. 「引退」にも、幸福な引退がある

引退2点のうち、もう1つはUGREEN AUXケーブル USB-C→3.5mm(DAC搭載)2m(購入時点 1,499円)です。

これを買ったのは、PCがまだ今ほど強くなかった頃でした。当時はASTRO MixAmp Pro TRを使っていて、ゲームや作業をしながら音楽や動画も楽しみたかった。そこでiPhoneやiPadをこのケーブルで繋いで、動画・音楽・ライブ配信を流しながらゲームをしていました。

今はデュアルモニターになってPCも強くなったので、そんな回りくどいことをする必要がなくなりました。だから出番はゼロです。

でも、これを「失敗した買い物」に数えるのは違うと思っています。1,499円で、当時の私が抱えていた不便を丸ごと解決してくれていた。そして環境が良くなったから要らなくなった。バッテリーが劣化して引退した633とは、意味がまったく違います。

言うなれば幸福な引退です。使わなくなった=無駄だった、ではありませんでした。

6. 死蔵ですらない1点:実家に置き忘れたFusion

最後の1点が、いちばん間抜けな話です。

Anker Power Bank 10000mAh Fusion(購入時点 5,990円)。これは職場用に買いました。買った理由は、さっきの25000mAhの唯一の不満に直結しています。

  1. 25000mAhは性能に不満はないが、持ち歩くには重い
  2. しかも本体をケーブルで充電するのが地味に手間だった
  3. だったらケーブルとコンセントが一体になったものが欲しい
  4. 探したらFusionがピッタリだった

ここまでは完璧な買い物です。判断も理由も筋が通っています。

その1台を、実家に置き忘れました。そして実家が遠いので、まだ回収できていません。

だからこれは死蔵ではありません。劣化もしていないし、役目も終わっていない。手元にさえあれば、今日から普段の持ち歩き用として即・現役です。5,990円ぶんが、ただ物理的に遠いだけ。

3年ぶんの買い物を数えてみて、こういう1点が出てくるのが実際のところなんだと思いました。

7. 3年ぶんの答え合わせでわかったこと

11点を並べ終えて、いちばんの発見はこれでした。「使っていないもの」には、3つの種類がある。

種類 該当 意味
性能が落ちて引退 Anker 633(7,990円) 買い替えを検討する対象。この記事の主役
役目を終えて引退 UGREEN AUXケーブル(1,499円) 環境が良くなった結果。失敗ではない
置き忘れ Anker Fusion(5,990円) 死蔵ですらない。回収すれば現役

買う前は全部同じ「買ってよかった」だし、使わなくなったら全部同じ「死蔵」に見えます。でも中身を開けてみると、反省すべきなのは1つ目だけでした。

数字にすると、こうです。

  • 3年2ヶ月で 55,975円、11点
  • いま現役なのは 40,496円ぶん・8点(72%)
  • 引退は 9,489円ぶん・2点(17%)。うち「反省が必要な引退」は7,990円ぶんの1点だけ
  • 残りは実家(5,990円)

3年で1台のモバイルバッテリーが引退した。それが7,990円。年あたり約2,700円で、3年間ケーブルから解放されていたと考えると、私はそんなに悪い買い物だったと思っていません。

もう1つ、書いておきたいことがあります。633を引退に追い込んだのは、劣化と同じくらい「私が家の充電環境を整えてしまったこと」でした。据え置きのステーションを2台置いた時点で、持ち歩き用マグネットバッテリーの席は減っていたのです。ガジェットは単体では評価できなくて、周りに何を置いたかで寿命が変わる。これは数えてみるまで気づきませんでした。

もしあなたの引き出しにも「買ったのに使っていないもの」があるなら、捨てる前に一度、どの種類の引退なのかだけ分けてみてください。反省が必要なものは、たぶん思っているより少ないです。

私は次に充電まわりを買うとき、もう少し「今の自分の環境に席があるか」を先に考えようと思います。

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